日本人が大好きな印象派。でも、その成り立ちや特徴など、実はよく分かっていないという人も多いのではないでしょうか。
ここでは、アートの流れにおける印象派の特徴と、覚えておきたい印象派を代表するアーティストについて解説していきます。
印象派とは
印象派または印象主義とは、19世紀後半に起こったアートの大革命です。
印象派以前の芸術は、自然で写実的な表現を良しとする新古典主義の理念を受け継いだアカデミックなものが主流となっていました。歴史画やデッサン重視の絵画がその代表です。
その芸術表現の流れとは相反して、印象派では、風景画を現場で描き、色彩に重きを置く表現を試みました。
今でこそ人気の印象派は、活動当初は厳しい批判の声にさらされ、作品を発表する場も限られていました。
特徴について
「見る快楽にどっぷりと浸ることが出来る。」それが印象派の特徴です。
印象派以前は、少なからず、作品の中にストーリーや伝えたいことが表現されており、観るものに考えさせることを促しました。
一方で、印象派では、単に日常に目に入るもの、取るに足らないものを描き、観るものに虚心に観ることだけに集中させます。
鮮やかで多彩な色彩表現を通して、観ることそのものを追求したのが印象派というわけです。
また、印象派は、日本の浮世絵の影響を受けていると言われています。とりわけ日本人に人気の印象派ですが、それは浮世絵に通じる大胆な構図や明るい色彩表現に、どこか懐かしさを感じているからかもしれません。
印象派の画家の紹介
覚えておきたい印象派を代表する 画家として、2名をご紹介します。
クロード・モネ
モネは、天候や時間、季節によって変化する自然の様相を描いた風景画を多く描いた画家です。
移ろいゆく光の美しさを表現するために、チューブから出した絵具を混ぜることなく原色でカンヴァスに置き、それを繰り返すことで、色を作っていく「筆触分割」あるいは「色彩分割」と呼ばれる技法を好んで用いました。
代表作は「印象、日の出」など。
「印象、日の出」(wikipediaより)
ピエール=オーギュスト・ルノワール
ルノワールは、人物画の印象が強い画家です。
ごく一般的な中産階級の人々のにぎやかで楽しいひとときを描くことを得意としました。その画風から「幸福の画家」と呼ばれています。
代表作は「舟遊びの人々の昼食」など。
「舟遊びの人々の昼食」(wikipediaより)
まとめ
ここでは、印象派についてその特徴、代表する画家についてまとめました。今回ご紹介した内容を片隅に、印象派の展覧会が開催された際には、是非足を運んでみてください。
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